野菜価格の上昇と今後の推移を予測

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都内スーパーでの野菜価格/出典:フレッシュNOW

今年は梅雨時の長雨・豪雨により全国的に農産物が不作となり、スーパーなどに並ぶ野菜の価格が高騰している。この状況について農水省関係者に今後の見通しなどを聞いてみた。

天候が回復した今も野菜価格が高止まりしているがなぜか

晴れの日が続いているとはいえ、いまだに野菜の生育が戻ったわけではない。そのため出荷量が例年よりも少ない状況が続いている。またコロナ問題で家庭での食事が増えたほか、非常事態宣言を受けて低迷していた外食産業も復活してきているので、食料品の需要は例年以上に上がっている。そのため需要が高いが供給が少ない状況にあり、野菜の価格は高止まりしている。

当面の間、価格の高止まりは続くのか 

ニンジンやジャガイモなど高騰した根菜類については北海道産が出始めた。北海道は長雨の影響が少なく、農産品の生育は順調と聞いている。また夏野菜の代名詞であるキュウリも出荷量が増加してきたので、値下がりの気配がある。しかしナスやトマトはメインの産地が今は東北地方となっており、長雨・豪雨の影響で生育に遅れがみられることから価格は高止まりしている。また、レタスなどの葉物野菜についても生育不足により高値で推移している。

今後の推移をどのように見ればよいか

盆明けごろから価格が低下してくるのではないかと予測している。コロナ問題でお盆を自宅で過ごす人が増えるため、例年よりも食料品の需要は高いだろが、盆を過ぎれば需要もある程度落ち着く可能性が考えられる。また供給に関しては、このまま好天が続けば北海道以外の産地からも野菜が出てくるので、供給量が増える。そのため、需給バランスがとれて価格は低下・安定していくだろう。ただし、好天が続き過ぎても水不足という問題に陥るほか、台風シーズンに突入すれば洪水被害が出るため、野菜の価格は今後の天候次第なところもある。

結論

農水省関係者の話を総合すると、長雨・水害の影響を受けた地域を主な産地とする野菜は高値で推移するだろうが、北海道など水害の影響の少ない地域の野菜は今後、収量も増えてくることから供給量は安定しそうだ。またコロナ問題で海外への旅行者も減り、外出自粛により家庭での食事が増えており、食料品の家庭内需要も高い水準にあるほか市場も休みとなるため、お盆期間中までは野菜の価格は高値で推移しそうだ。しかしそれを過ぎれば需給バランスも変化するため、野菜価格も徐々に値下がり安定していくものとみられる。

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