- 2020-8-26
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- ウニ, タケノコ, 九州大学, 品質改善, 磯焼け, 養殖

タケノコを食べるウニ/出典:朝日新聞
「磯焼け」した海の低品質のウニを放置竹林のタケノコで養殖する技術を九州大が開発している。お金をかけずに、海と山の問題を解決しようという取り組みだ。
今春、殻の直径2センチ弱のアカウニを約40個体、タケノコだけで飼育し始めた。すでに殻は3センチを超え、ワカメなど他のエサを与えたウニと同じように成長している。また、キタムラサキウニ15個体をタケノコだけで40日間飼育したものを8月初めに試食したところ、身の大きさや色には多少ばらつきがあったが、濃厚な味と磯の香りは天然ものと遜色ないという手応えを得たという。
ウニは近年、海藻を食べ尽くす「磯焼け」の一因になっており、磯焼けした海のウニは痩せて売り物にならない。こうしたウニを簡単に養殖できないかと研究が始まり、昨年、クローバーでの養殖技術を宮城大と共同で開発している。
痩せたウニの対策としては、廃棄キャベツや昆布の根本を与えて品質改善するなど、様々な取り組みが行われている。廃棄物を活用してウニが養殖できれば、高級品が家計に優しい食材になる可能性も考えられる。